前回までのあらすじ
RPA以外の自動化ツールも調べて、業務効率化に夢をはせる初心さん。どうやら、ついに自社でRPAロボットをつくって稼働させたようです。
これで仕事が一つ楽になったぞー!
初心くん、ロボットでつくった書類が全部間違ってるって他の部署からクレーム来てるんだけど…
な、なんですとー⁈
ゼロからわかる!RPAと導入のコツ
「RPAとは?」「RPA導入を考えているけれど、どうすればいいのかわからない」といった方に向けて、わかりやすく解説した資料です。
RPA稼働時の注意点① RPAでミスデータが大量発生する危険性と対処法
せっかく仕事が一つなくなったと思ったのに…。
RPAは設定した通りに動いて、データを処理します。その設定が間違っていると、誤ったデータを大量に生み出してしまいます。
よくあるミスの事例
●データの格納先が誤っている
●データ内容の表記ルールに合致していない
例)全角/半角、漢数字/アラビア数字、同じ見た目でも記号の○か漢数字の○か、など
そのため、運用テストは重要です。運用部署とも連携しながら、しっかりチェックした上で稼働させましょう。
あんなにチェックしたのになー。
あれ、これ事前に決めていた書式形式通りに入力してくれてないんじゃない?
RPA稼働時の注意点 ② ミスが発生する業務フローはヒアリングで改善
すみませーん! 今回からこの申請書のタイトルは「YYYYMMDD_申請者氏名」で入力してくださいってお願いしてたと思うんですが…
営業:ごめん、忙しくて忘れてた…。そっちで修正しておいてくれない?
それじゃあ自動化した意味ないよ~!
どれだけ事前に担当者と連携していても、うっかりミスをする人は必ずいます。その時にRPA担当者がデータ修正を引き受けてしまうと、せっかくRPAで自動化した意味がなくなってしまいます。
そのため、ミスをした方に「なぜミスをしたのか」「どんな部分が取り組みづらかったのか」をしっかりヒアリングしておきましょう。その上で、現場がミスをしづらくなる業務フローへと調整していきます。
もしかすると、「入力が手間」「ルールが分かりづらい」など、さらなる業務効率化ポイントが見えてくるかもしれません。
また、ある程度ミスをすることが想定されるのであれば、RPAを動かす前にチェックする工程を入れるなど、業務フローそのものを見直すことも重要です。
よくあるのが、数字を半角や全角混じりにしてしまうといったヒューマンエラー。よくあるミスであれば、半角に統一する作業をシナリオに組み込んでおくだけでもエラー数の減少が期待できます。
その場でいい顔してミスを修正したところで、業務効率化にはつながらないもんね。ミスを少なくする業務フローをつくることが大切!
RPA稼働時の注意点 ③ シナリオでエラーが出る時は、こんな風に確認
修正した業務フローにあわせて、シナリオ※も更新しようっと。
あ、あれ? シナリオがうまく動かない…
※RPAソフト「WinActor」における業務フローチャートのこと。RPAにおけるフローチャート部分の名称はソフトによって異なります。
「さっきまで動いていたシナリオにひとつ部品を足すだけだから、修正も簡単!」と思っていたのに、いざ修正するとエラーになる…。実はそれ、RPAの作成現場ではよくあることですから、パニックにならなくても大丈夫です。
エラーになる要因はシナリオによって異なりますが、大切なのは「どこがエラーか」を見つけ出すことです。
そのために、部分的にシナリオを稼働させてみましょう。
シナリオ上で左クリックすると「部分実行」という項目が表示されます。グループ化しているシナリオであれば、グループ内の部品が実行されます。
部分実行していき、どこがエラーの原因か突き止めましょう。
シナリオを作ってる段階でグループ化しておいたり、わかりやすいタイトルをつけておいたりすると、後で修正する時に何の動作かすぐわかって便利かも!
RPA稼働時の注意点 ④ RPA導入では完璧を求めない。
トライアンドエラーを繰り返すのが定着への近道
実際にロボットに任せてみたけど、いきなり自動化するのは難しいのかな…
「担当者がルールを守れない」「シナリオがうまく動かない」など、ヒト・ロボットを問わずエラーが起きれば自動化業務はストップしてしまいます。
導入しはじめたばかりの時期は、一気にロボットに任せるのではなく、少しずつ自動化していくのがいいでしょう。
とくにヒトは、いきなり環境が変わってもなかなかなじめないのが一般的です。トライアンドエラーを繰り返しながら、周囲にも少しずつルールを伝えていく。その繰り返しがRPAの安定運用につながります。
私も少し焦っていたかも? 仕事を自動化したら便利になるのは間違いないんだから、ゆっくりみんなと一緒に効率化できるように頑張ろう~!
ゆっくりでも、失敗しても、そうした経験すべてが効率化につながっていくのが業務改善です。
失敗することは悪いことではなく、前進への一歩。どんどん失敗していきましょう!
まとめ
●RPAは間違った設定をすると、誤ったデータを生成してしまう。事前確認は念入りに
●関係部署に運用ルールを守ってもらえるよう、事前にしっかりとコミュニケーションを取っておく
●運用につまずいても、ヒアリングして業務フローを改善していく
●事前に想定されるミスは、確認・修正も自動化しておくとスムーズ
●シナリオがエラーになっても、「部分実行」で焦らず確認
●失敗も前進への一歩。完璧を目指さずに、トライアンドエラーを繰り返そう
つづく
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