前回までのあらすじ
ついにRPAを導入・運用した初心さん。トラブルがありつつも、職場の理解を得ながら少しずつ成果を上げてRPAが会社に浸透していったようです…。今回が「RPAを学ぶ」最終回です!
もうロボット100体くらい作ったかも…。最初のころに作ったロボット、どうなってるんだろう?
初心くん、●●部署から「RPAが動かないからみてほしい」って依頼が来てるよ。
はーい! …あれ? こんなロボット作った覚えないよ?
ゼロからわかる!RPAと導入のコツ
「RPAとは?」「RPA導入を考えているけれど、どうすればいいのかわからない」といった方に向けて、わかりやすく解説した資料です。
RPA導入後は野良ロボットにご注意!
前の担当者が、自分たちの業務を自動化するためにそれぞれでロボットを作った? そしてその後引継ぎせずに異動? じゃあコレ、何やってたロボットなの⁈
RPAを導入して、うまく業務が回りはじめると「野良ロボット」問題が発生しがちです。
野良ロボットとは、管理者が不在のロボットの通称です。
- 管理者がロボットの存在を把握していないロボット
- 前任者からの引継ぎがされておらず、どのような挙動をしているのか不明なロボット
- 定期的なメンテナンスがなされておらず、アップデートされていないロボット
上記が野良ロボットと呼ばれる困った存在です。野良ロボットは誰にも存在を認知されておらず、どんなエラーを引き起こすかわかりません。
知らずにロボットに影響のあるデータを書き換えたり移動させたりして、止まるだけなら被害は少ないかもしれません。しかし、データの消去・改ざん、部外秘の情報漏洩、内部監査の審査漏れなど、思いもよらない動作をするかもしれません。
怖い!! RPA導入のリスクの一つだね…
ロボットを管理してRPAを上手に運用しよう
野良ロボットを出さないためには、どうやって運用すればいいのかな?
野良ロボットを発生させないポイントは2つ。
- ロボットの管理表を作成する
- ロボットを一元管理できるソフトやサービスを導入する
少し詳しくみていきましょう。
ロボットの管理表を作成する
極論ですが、引継ぎを都度しっかりしていれば野良ロボットは発生しません。ですが、突然の異動や退職など、引継ぎする時間が十分にとれないことはままあります。
そのため、Excelなどで使用しているロボットと、そのロボットの役割を文書化しておくと良いでしょう。
万が一、引継ぎ時間が十分になくとも、管理表を見れば稼働しているロボットを把握することができます。
ロボットを一元管理できるソフトやサービスを導入する
RPAを組織内で広めていくにつれて、他業務や他部署で新たにロボットを作成・運用していくことになります。場合によってはライセンスの数が数十~数百になることも。
こうした場合に便利なのが、一元管理が可能なソフトウェアやサービスです。
WinActorであれば「WinDirector」、UiPathであれば「UiPath Orchestrator」といったソフトやサービスが提供されており、中央で集中管理が可能です。
WinActorの実行ロボットを一元管理し、ユーザの代わりにロボットの実行をスケジューリング、実行指示する秘書のような役割をするロボットです。「野良ロボット」対策や、ガバナンスの統制、実行状況を監視することで、RPAロボットを管理します。
UiPathのサーバ製品。ライセンスの集中管理をはじめ、ロボットの実行管理やスケジューリング機能、実行シナリオの配布、エラー検知・対応、パスワードの管理などが可能です。
たくさんのロボットを管理するための環境づくりも必要なんだなあ。よし、まずはロボットの管理表をつくってみよう!
持続的なRPA運用にはルールが必要
よく考えたら、このロボット管理表ってどうやって更新していけばいいんだろう? 今までロボットって、依頼があったら都度作ってたし…。
RPAを継続的に運用していくためには、運用ルールをつくっておきましょう。
たとえば、作成するのに申請書の提出など社内ルールを設けて、ロボットを作成・テスト、現場で使用して効果を測定…と業務フローと担当者(責任者)を定めておきます。
RPAはローコードツールなので、現場の人も修正したり、新たに作成したりすることができますが、管理・運用していくとなると現場業務があるため、柔軟には対応しづらいでしょう。
上記のように業務フローを決めて担当者(責任者)を明確にしておくと、エラーや修正が発生しても業務を止めることなく対応することができます。
書き出してみると、結構いろいろな業務がある…。ロボットが増えると、一人の担当だけでは厳しいかも
RPAの継続運用には人材育成が不可欠
RPAの活用は全社的な流れになってきたし、そろそろ担当者が増えてもいいのかな…
じゃあ初心くんがRPA人材を育てないとね
RPA担当者を増員するのに、RPA経験者を中途採用する方法もあります。一方で、社内ルールを自動化する場合だと社内業務を理解している在職者から担当者を選ぶのも一手です。
RPAはローコードツールで、プログラミングの知識は多く必要ではありません。そのため、現在の業務フローを把握していて、改善する意欲が高いメンバーを採用する方が良いケースも少なくないのです。
社内でRPAに興味がある人材を公募してもいいですし、それまで業務でRPAに触れることの多かった人材に直接声をかけてもいいでしょう。
こうした動きをしても周囲に受け入れてもらえるように、日ごろから現場とRPA担当者でコミュニケーションを取ったり、社内にRPAについて理解を深めてもらう研修などを行ったりしているとスムーズに進みます。
こちらも参照:
RPAの扱い方は後で覚えられるけど、業務の流れって案外すぐには覚えられなかったり、中途のひとにちゃんと伝えられてなかったりするもんね。じゃあ、RPAに興味を持ってくれていた人に声をかけてみよう!
社内にRPA運用、ひいては業務効率化マインドを浸透させるのは時間がかかって当然です。担当者やIT部門だけで行わずに、外部パートナーに研修のカリキュラム作成や講師を依頼すると、組織に対する刺激になり、業務効率化への理解が深まるのでおすすめです。
RPAはすべてのオフィスワーカーの味方!
RPAを導入して、ずいぶん仕事が楽になったね
なんにもわからないところからのスタートでしたけど、案外どうにかなりましたね!
RPAの良さは、何と言っても、専門知識なしにこれまでの業務をそのまま自動化することも、他のシステムとつなげてもっと効率よくすることもできる点。
また、RPA導入をきっかけに業務の見直しを大々的に行うことでも、ムダな作業工程を省くことにつながります。
業務効率化だけでなく、社員の働き方も変化します。たとえ時間削減効果が大きくなくても、「絶対に間違えられない」「ミスがあってはいけない」という精神的な負担が減ることで、他の業務に集中しやすくなり、心身の健康状態にも影響を及ぼすことが期待できます。
RPAは今後働き手が減るオフィスシーンにおいて、なくてはならない存在になるでしょう。
導入初期にしっかりと学習・運用フローを構築しておくことで、変化の激しい時代にも柔軟に対応できる業務フローを、自社でつくっていくことができるようになります。
「RPAって何?」「導入する意味あるの?」と思っている方も、ぜひ「明日自分の仕事を楽にするため」に新しいツールに興味を持ってみてください。
もっといろいろ勉強して、会社のみんなが定時で帰れるようにしたいな~!
私も負けずに頑張るぞ!
初心さんのRPA導入への挑戦はここまでです。
ですが、RPAはツールのひとつ。初心さんの挑戦はまだまだ続きます!
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