前回までのあらすじ
AI、IoTとDXに必要な知識を学んだ初心さん。今回は「クラウド」について学びます。
クラウドはなんとなく知ってますよ! インターネットと同義語くらいに思ってましたけど
今日はもう少し詳しく解説して、DXとの関連性を整理していきましょう
ロボフィス 研修サービスのご案内
ロボフィス株式会社が提供する研修サービスについて記載しています。
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DXに欠かせない技術 クラウド
クラウドは、正式にはクラウド・コンピューティングと言います。ユーザがインフラ※やソフトウェアを持たなくても、インターネットを通じて、サービスを必要な時に必要な分だけ利用する考え方のことです。
※サーバやストレージ、ネットワークのこと
クラウドがない頃は、実行したいことのために専用のハードウェアを購入したり、ソフトウェアをインストールしたりする必要がありました。しかし、クラウドが登場したことで、専用ハードやソフトがなくても、クラウド上で実行したいことを行えるようになったのです。
もっとも有名なクラウドは、Google検索です。検索サービスを利用するために専用コンピュータを持っている人はいないですよね。この検索サービスは、インターネットの向こう側にあるGoogle社のコンピュータの力を使っています。
クラウドは誰でもアクセスできるため安価で、購入してから製品が届くまでのタイムラグもありません。新しいバージョンやサービスが登場すれば、インターネットにアクセスして最新のサービスを受け取ることができます。安価で素早く導入できるため、ビジネスシーンでも大いに利用されています。
クラウドはインターネットの先にあるところか~
DXの前に知りたいクラウドの種類 SaaS Paas IaaS
クラウドにも種類があるので、そちらも解説していきましょう
クラウドにも提供する機能によって3つの種類に分けられます。
クラウドの種類① SaaS(さーす)
SaaS<Software as a Service>とは、アプリケーションをクラウド化したものです。かつてはASP<Application Service Provider>と言われ、現在ではSaaSサービス提供者のことを指す意味で使用されています。
アプリケーションを動作させるOSや環境、サーバを自社で保有する必要がなく、すぐにクラウド上にあるアプリケーションを導入することができます。
SaaSと言ってしまうと馴染みがなくなってしまいますが、提供されるサービスは実に身近なものです。
各種フリーメールやサイトアクセス分析ツール、デジタルマーケティングツール、ビデオ会議アプリ、チャットツール…もともとアプリケーション製品だったofficeソフトをクラウド化したMicrosoft365もSaaSにあたります。
IaaS、PaaS、SaaSを複数事業者組み合わせて使用することを「マルチクラウド」と言います。
クラウドの種類② PaaS(ぱーす)
PaaS<Platform as a Service>とは、ハードウェアとアプリケーションの開発機能をクラウド化したものです。
一般的に、アプリを開発するには開発環境(サーバの設置/OSのインストール/ネットワークの設定など)が必要なのですが、PaaSでは開発環境一式を提供します。
PaaSにはGo、Java、JavaScript、PHP、Python、Rubyといった開発言語によるプログラムの実行環境を提供するほか、データベース管理システムのような機能をクラウド化したものもあります。
PaaSはIaaSとは異なり、簡単な設定をするだけでシステムを稼働させるためのプラットフォームを作成できるようになります。
代表的なサービスにAWS、日本ではKintoneが提供されています。
クラウドの種類③ IaaS(いあーす)
IaaS<Infrastructure as a Service>は、コンピュータやストレージ、ネットワークなどのインフラ機能を、インターネット経由で利用できるクラウドサービスです。
具体的には、以下のようなサービスを利用できます。
- 仮想(専用)サーバ
- コンテナ
- 高速ネットワーク通信
- 専用線
- オブジェクトストレージ
- アーカイブ
物理コンピュータと同じ機能をソフトウェアで実現したコンピュータのことを仮想マシンと言います。IaaSは仮想マシンを使用して、1台のコンピュータを複数に分割して使用するため、コストを削減することができます。
仮想マシンは、汎用タイプ、CPU性能を重視したタイプ、メモリ容量や性能を重視したタイプ、ストレージやネットワーク性能を重視したタイプなど、さまざまなバリエーションが用意されています。ユーザはそのほか、仮想CPUの数やメモリの容量、OSなどを選択することもできます。
ユーザのニーズに応じるさまざまな機能が備わっているので、自社が必要な機能を必要なだけ構築できるのが大きなメリットです。半面、仕様を細かく決める必要があるとも言え、専門知識が必要不可欠です。
代表的なサービスにAWS(アマゾン・ウェブ・サービス)があります。
クラウドサービスの提供形態とセキュリティ
クラウドは提供形態によっても4つの分類に分けられます。
パブリッククラウド:一般に公開されていて、誰でも利用できる。各事業者が運営するデータセンターからサービスを提供。基本的に、IaaS、PaaS、SaaSはパブリッククラウド。
コミュニティクラウド:同一業種など特定の集団が利用することを想定されたクラウド。たとえば、自治体の共同利用システムなど
プライベートクラウド:クラウド技術を使った企業内システム。実態はオンプレミス※のシステム
※クラウドの対義語。担当者が管理できる範囲に機器を設置して運用すること
ハイブリッドクラウド:上記3つのクラウドを複数組み合わせたもの
クラウドはインターネットとつながっているという性質上、情報漏洩の危険性があります。どうしても社外に置くわけにはいかない情報の管理にはプライベートクラウド、あるいはハイブリッドクラウドを利用することが検討されます。また、データのバックアップ先としてパブリッククラウドのデータをプライベートクラウドに保存する、といった使い方も考えられます。クラウドサービスでどんな情報を取り扱うかを精査した上で、どのようにサービスを運用していくのかを考えることが重要です。
経済産業省では「クラウドサービス提供における情報セキュリティ対策ガイドライン」を掲示しており、クラウドサービスを安全 ・安⼼に提供・利用するための情報セキュリティ対策を呼び掛けています。
最近はサイバー攻撃による被害も増えているって聞くし、クラウドを導入するならしっかり対策しておきたいですね!
まとめ:DXとクラウドの関係
クラウドはDXに欠かせない技術であることは間違いありません。
クラウドのメリットは、何と言っても導入スピードと初期費用の低さでしょう。クラウドは、サーバや開発環境を物理的にそろえる時間とコストが抑えられます。また、モノが届くまでの待機時間もなくなり、その分スピーディで、すぐに計画を実行に移すことができます。
また、クラウドサービスは一定期間ごとの利用料に応じて使用料を支払うシステムが一般的です。たとえば、SaaSのアプリケーションを使用することになったとして、全社導入する必要はなく、一部の担当者だけのアカウントを購入することができます。
最近では、パブリッククラウドに最適化した「クラウドネイティブ」なサービスも登場していて、今後ますます増えていくと考えられます。
導入にコストも時間もかからず、クイックスタートできる点は、円滑なDXになくてはならないもの。「すぐにはじめて、すぐに修正する」が可能なのは、クラウドがあるからこそです。逆に、クラウドがなければDXもデジタル化も、近年ほど大きく前には進まなかったでしょう。自社の目指す姿を描いてDXを進めるロードマップが描けたなら、課題解決に必要なツールをクラウドで試してみることが必要になるでしょう。
以前からあるソフトウェアがインターネット上にあるだけ、と思うと、勉強もしやすしAIとかより抵抗も少ないかも!
クラウドはサービスをどのように使うかの方が大切なので、「もう使っていたものだった」と思ってもらえると親しみを感じてもらえるかもしれませんね
つづく
進方さんのような「DXの専門家」にDX推進やデジタル化、業務効率化についてレクチャーしてほしい方、増えています! 初心さんのような初心者でも丁寧に、業務に沿った内容で研修を行います。お気軽にご相談ください!
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