「いかにして業務を効率化するのか」は、ビジネスマンにとって大きな課題です。特に、多くのデータや情報を扱う部署は社会のICT化によって役割の重要度が高まり、より一層の効率化と生産性が求められています。
そこで、近年注目されているのがBIツールです。BIツールとは、ビジネスインテリジェンスツールの略で、データの収集・分析・可視化を支援するソフトウェアです。BIツールを導入することで、業務を効率的に進めることが可能になります。
本稿では、BIツールを使用することでどのように業務効率化が可能かについて解説します。
ゼロからわかる! Microsoft 365の組織的活用方法
WordやExcel、PowerPointといったビジネスに欠かせないアプリ。それ以外にもMicrosoft 365にはさまざまなアプリがあり、それらを連携させることで業務効率を大幅にアップできます。
「Microsoft 365ってなにができるの?」「Microsoft 365をもっと活用したい!」という方にピッタリの資料です。
BIツールができること
BIツールは、データの収集・分析・可視化を支援するソフトウェアです。ExcelやCSVファイルといったさまざまなデータソースからデータを収集したり、収集したデータを分析したり、グラフなど視覚的にわかりやすくまとめてくれたりします。
データの収集:さまざまなデータソースからデータを収集することが可能。データソースには、データベース、Excelファイル、CSVファイル、PDFファイルなど、さまざまな種類があります。
データの分析:収集したデータを分析します。
データの可視化:BIツールには、グラフ、チャート、表など、さまざまな視覚化ツールが用意されています。可視化することで、データの傾向やパターンを簡単に把握することができます。
BIツールとExcel、どう違う?
「BIツールでできることって、Excelでもできるんじゃない?」
上記の解説でそう思われた方もいるかもしれません。しかし、BIツールはExcel以上のことが可能です。
BIツールとExcelとの違い① 取り扱えるデータ量
Excelが取り扱えるデータ量は、Excel2007以降であれば最大1,048,576行 × 16,384列のデータを蓄積できると言われています。実際には、その前に運用上の限界値に到達して処理できなくなります。ビッグデータ※を取り扱うには足りない数字です。
※人間では全体を把握することが困難な巨大なデータ群のこと。
対して、BIツールはもともとビッグデータを取り扱うために作られているので、Excel以上のデータ量を取り扱うことが可能です。
BIツールとExcelとの違い② 処理速度
BIツールは大量のデータ処理を前提とした、リレーショナルデータベース管理システム(RDBMS)※を利用しているものが多いので、データが大きくてもスピーディな処理が可能です。
※データを表形式で整理したデータベースのこと。リレーショナルデータベースをシステムで管理することで、データの追加や削除、更新が効率的に行なえる。
BIツールとExcelとの違い③ 社外データソースの統合
Excelは基本的にスプレッドシートやCSVファイルがデータソースとなりますが、BIツールはクラウドサービス、ソーシャルメディアなど、ネット上の情報まで入手・抽出できます。
BIツールとExcelとの違い④ 権限管理
Excelファイルでセキュリティを担保するには、ユーザーがファイルにパスワードをかけるか、情報システム部などの管理者にファイルサーバーで権限設定してもらうことになります。BIツールの場合は、ユーザーフォルダやファイルに直接権限設定できることから、いちいちパスワードを設定・解除する必要がありません。
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BIツールが業務効率化につながるメリット
多くのビジネスマンは、データを取り扱うにあたって以下のような作業を行っているのではないでしょうか?
●あちこちに散らばるデータの収集と集計、グラフ化
●レポートの作成
●レポート内容のチェック
Excelでもデータをビジュアル化することは可能ですが、データを分析するにあたって組織内外に散らばったデータを集めたり、グラフを見やすく加工したりする手間が大きいですよね。
また、手作業で作成したレポートはチェックが必須。チェックする人員の稼働や修正する時間を考えると、効率的とは言えません。さらに、こういった作業は属人化しやすい業務でもあります。
こうしたシーンでBIツールは業務効率化が期待できます。
必要なデータソースを集約したダッシュボードを作成しておけば、改めてレポートを作成する手間は発生せず、そこからさらに加工が必要なレポートを作成するのも時間がかかりません。
データを一カ所に集約することで、組織全体でデータを活用することも可能です。共通のデータをスムーズに確認できることで、意思統一や意思決定もスピーディに進むことが期待できます。
また、常に最新のデータを反映させることが可能という点も、Excelよりも利便性の高い部分です。
BIツールのメリット
・レポート作成が効率的に進められる
・レポートが見やすくなり、質が上がる
・意思決定がスムーズに進む
・最新のデータを共有できる
BIツールで業務効率化する方法
それでは、実際にBIツールを活用して業務を効率化する方法をご紹介しましょう。
KPIの見える化
とある病院では、電子カルテデータをExcelに出力・加工したうえでレポートを作成していました。この日々の定型作業に1~2時間程度が費やされていました。これを効率化するべく、BIツールを導入。
まずはレポートの作成を自動化。さらに最新データのレポートを院内スタッフ向けポータルサイトのトップ画面に表示させ、KPIをつねに把握できる環境を構築し、経営に対するスタッフの意識向上につなげることができました。
データの社内共有と活用
メーカー企業で、社内にあるデータを活用したいというニーズがありました。そこでBIツールを導入。その後、「どのように共有すれば活用できるか」という課題が生まれました。
そこで、TeamsにPower BIのダッシュボードを連携。コメントの共有や共同作業も可能になり、データを活用する場面が広がっていきました。
関連記事:【BIツール比較】Power BI・MotionBoard・Tableauの違いを解説
まとめ
BIツールを導入することで、これまで手間がかかっていたレポートや情報共有が迅速かつスムーズに行うことが可能です。数字を見える化することで分析もしやすくなり、意思決定の質が向上することも期待できるでしょう。
BIツールは業務効率化に役立つツールです。
ただし、導入すれば全てうまくいく、というものでもありません。どのような目的で使用するのか、データやアプリを活用できる人材はいるのか、社員が活用できるような研修は用意できるのか…さまざまな要因で導入の成否が決まります。
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