取引先からメール添付された発注書の内容を、社内管理ファイルへ転記する…なんて作業にうんざりしている方は多いのではないでしょうか?
一日に何十・何百とメールをやりとりする中で、注文書が添付されているメールを探すだけでも一苦労。
それを一通一通確認してシステムに転記を繰り返していたら、ミスが発生するのも仕方がありません。
本日はWinActorを使って「メールフォルダから対象メールを探す」「添付ファイル(Excel)の内容を別のExcelファイルに転記する」という処理を自動化する手順を解説します。
ぜひ最後までご覧ください。
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シナリオづくりで迷った際に手元に一部あると便利です! また、社内教育にもお役立てください。
全体の流れ
まずは下記動画をご覧ください。
今回の作業の流れを整理してみましょう。
- 件名に「発注書」と記載しているメールを検索、添付されている注文書を指定フォルダへ保存
- 指定フォルダに格納されている発注書ファイルパスを取得
- 発注書ファイルの内容を進捗管理表に転記
準備するもの
- 発注書(Excel)が添付されたメール
- 進捗管理表(Excel)
それでは、シナリオを作成していきましょう。
① 対象メールを検索、添付ファイルを指定フォルダへ保存
使用アクション:Outlookメーラ起動、Outlook 条件を指定して対象メール保存
まずはOutlookメーラを起動し、件名に「発注書」と記載のあるメールに添付されている発注書を指定フォルダに保存します。
開始と終了の間に、 20_メール関連> 01_Outlook操作>Outlookメーラ起動 をドラッグアンドドロップしてください。
その下に、 20_メール関連> 01_Outlook操作> Outlook 条件を指定して対象メール保存 をドラッグアンドドロップします。
次に、Outlook 条件を指定して対象メール保存の設定を行っていきます。
今回は下記画像のように、枠内の設定を行いました。
検索条件は以下2点です。
- 件名に「発注書」と記載されているメール
- 1日の終わりにこの作業をすると想定し、送信日時は、当日分に指定
注意
●ファイル保存先に指定してある変数(メール保存フォルダ)の初期値に、指定フォルダのパスを必ず入力する
●検索対象フォルダの入力方法は、「メールアドレス\受信トレイ」のように設定する
② 指定フォルダに格納されている発注書ファイルパスを取得
使用アクション: ファイル一覧(ファイル名)取得
①のシナリオを実行して、作成されたフォルダを確認してみましょう。
フォルダが作成されています。
さらにこのフォルダを中身を確認してみましょう。
添付ファイルが確認できます。
ファイルが2つできたので、それぞれの場所を示すパスが必要になります。
- ①で作成されたフォルダのパスを取得
- 取得したフォルダパスを使って、さらに添付ファイルのパスを取得
Outlook 条件を指定して対象メール保存の下に、 13_ファイル関連>04_ファイル一覧>ファイル一覧(ファイル名)取得 を2つドラッグアンドドロップします。
1つ目のファイル一覧(ファイル名)取得の設定は、以下画像の通りです。
2つ目のファイル一覧(ファイル名)取得の設定も、以下画像のように、設定すれば完了です。
これで添付ファイルのパスを取得できました。
次はこのパスを使用し、添付ファイル(発注書ファイル)の内容を進捗管理表に転記していきます。
③発注書ファイルの内容を取得
使用アクション: Excel操作(値の取得)
転記する前に、進捗管理表の中身をチェックしておきましょう。
赤枠で囲まれている5つの項目が必要な情報なので、この情報を発注書から取得します。
発注書でいうと、以下画像の赤枠内が取得する情報の場所となります。
Excel情報の取得は、Excel操作(値の取得)を使用します。
18_Excel関連>12_書式> Excel操作(値の取得) を、ファイル一覧(ファイル名)取得の下に5つドラッグアンドドロップしてください。
項目を5つ分設定します。設定方法は以下の通りです。
④転記開始行、管理Noの作成
使用アクション: Excel操作(最終行取得 その4), 四則演算
発注書から取得した情報をもとに、進捗管理表に転記していきます。
転記開始行は毎回変化すると思うので、まずは転記開始行を作成します。
18_Excel関連>03_行列操作> Excel操作(最終行取得 その4) と、ノード>変数>四則演算 をドラッグアンドドロップしてください。
Excel操作(最終行取得 その4)で文字がある最終行を取得、その後四則演算を使い、最終行+1をすることで転記開始行を出します。
設定は以下画像の通りです。
また、下記画像の赤枠に囲まれた管理Noも作成する必要があります。
この管理Noは、Excel操作(最終行取得 その4)で取得した数字-1の値となるので、四則演算を追加し、下記画像のように設定を行ってください。
⑤進捗管理表に転記
使用アクション: Excel操作(値の設定2)
取得した発注書データをもとに、進捗管理表(Excel)に転記していきます。
18_Excel関連>12_書式>Excel操作(値の取得) を6つドラッグアンドドロップしてください。
設定は下記画像のように、入力したい項目の値と入力列を設定することで、基本完了です。
最後に実行してみて、シナリオの動きを確認してみてください。
まとめ
意外と簡単に作成できたのではないでしょうか?
メールの添付ファイルを保存して転記するという一連の作業は、非常に手間で、ミスも多くなりがちです。ぜひWinActorを使って手間とミスを減らしていってください。
今回の作業だけでも十分便利になったと思いますが、実際の現場では、
- 添付ファイル付きメールは毎日複数件来る
- 転記項目が1行ではなく、複数行ある
- 転記後まとめたデータを、商品ごとにシート分類したい
といった、様々なご要望があると思います。こういった作業の自動化は複雑なため、導入初期であれば社外の専門家にご相談いただく方がスムーズです。
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