ロボフィスでは、全国の事業者さまに対してさまざまなRPAを活用した業務自動化を提案しています。当初は首都圏や関西など企業数の多い地域がメインになるだろうと想定していました。ところが、近年は地方からのお問合せが非常に増えてきています。
とくに当社では中国地方から多くのお問い合わせをいただき、RPA導入を支援しています。
内容は、RPAの初期導入のご相談をはじめ、すでに導入した事業者さまが「RPAをさらに有効活用したい」「うまく運用できないためサポートしてほしい」といった「活用するため」のお問い合わせが多いところが特徴です
今回の記事では、広島県内で実際に支援したRPA導入事例を取り上げ、導入後の課題とその解決策をご紹介します。
【RPAツール徹底比較】自社に最適なRPAツールとは?
代表的なRPAツールである「WinActor」「UiPath」「Power Automate Desktop」、3つの特徴をまとめて比較しました。
特典として、それぞれのツールで同じ作業を自動化した比較動画のURLも掲載しています。
RPA導入にお悩みの方、ツール選定の決め手に欠ける方はぜひご活用ください。
RPAとは
RPAとはRobotic Process Automationの略称で呼ばれるシステムです。
システムというと特定の業務(例:経費計算/給与計算)を効率化するために作られているものを想像する方も多いと思います。RPAとこれまでのシステムの違いは「RPAはあらかじめ決められた動作を行う」のではなく、「RPAに行ってほしい動作を覚えさせ、実行する」部分にあります。
この点においては、「PCの中に新入社員のRPA君が入った」とイメージすると伝わりやすいかもしれません。
ヒトの新入社員にも「いつ」「どのファイル」を「どんな風に操作するのか」を教える必要があります。同様に、RPAも導入した当初は業務を教えてあげなければ、動いてくれません。
一方で、しっかりと教え込めば、「ヒトがパソコン上で行っている操作」をそのまま実行してくれます。
この仕組みにより、普段ヒトが行っている業務を自動化することができます。
※詳細は「初心、RPAを学ぶ:第1回「RPAって何?」」を参照
それでは、さっそく事例を見てみましょう。
事例紹介:広島県 A病院のRPA導入事例
広島県のA病院は、中国地方でさまざまな患者さまに高品質な医療を提供している病院です。
医療業界で進む「医師の働き方改革」を進めるべく、RPAの導入を決定。一般事務系職員の時間外労働時間の削減や年次有給休暇の取得、医師の時間外労働時間の削減といった内容を中心に業務自動化を推進。長期的には医師、職員の柔軟なタスクシフティングの実現も視野に入れています。
まずは「翌日の患者数集計」「診療データの出力」「日報/月報データ作成業務」 など7業務の自動化を実施。その結果、約198.6時間を削減できました。
また、業務自動化のために業務フローを見直したことで、業務手順の標準化・明確化につながるように。属人化していた作業はマニュアル化され、さらに業務の習熟度にかかわらず、ボタンをクリックするだけでこれまでと同等の業務成果が得られるようになりました。
導入概要
導入業務:「翌日の患者数集計」「診療データの出力」「日報/月報データ作成業務」 など7業務の自動化を実施
削減時間:約198.6時間
定性効果;
- 業務手順や内容の見直しのきっかけになり、かつ標準化/明確化できた
- 転記作業等、単純作業の作業ミスの防止
- RPAが動いている間に別の作業が行える
- 業務の習熟度に関わらず、ボタンをクリックするだけで同じ業務成果が得られる
連携システム:電子カルテ(HOPE)、医事会計システム(HOPE)、DWH
使用RPA:WinActor
※WinActorはスタンドアロンでの導入が可能なため、メディカル端末への導入も可能です
【無料WEBセミナー】医療×RPA レセプト請求の自動化事例から見る病院の業務改革
少子高齢化が進み、医療業界において人材不足は顕著です。さらにコロナ禍で医療現場はひっ迫し、病院経営において業務効率化は最重要課題となっています。
本セミナーでは、業務改革、DXにおいて注目されているRPAを用いたレセプト請求作業の自動化について、実際の導入事例を交えながらご紹介します。
導入後の課題:RPAを操作できる人材の育成方法について
上記7業務は主に当社RPAエンジニアがシナリオの構築を担当しました。
RPAは問題なく構築でき、効果を上げましたが、運用面においてA病院さまは「エラーが出た時にどうやって対応すればいいのか」「システムがバージョンアップしたらどうなる?」など、作成済みのシナリオを長期的に安定運用するため、多くの不安を感じておられました。
もっと細かくヒアリングすると、「ほかにも自動化業務を増やしたいが、誰がシナリオを作成するか」「別部署での業務洗い出しを誰がするか」といった、導入効果を最大化するための懸念なども多く寄せられました。
実は、これは本事例のみならず非常に多くのお客様からご相談いただく内容で、RPAを有効活用する上で非常に重要な要素の一つです。
この課題を解決する最短ルートは、「RPAを操作できる人材の育成」です。
しかし、「RPAの担当者がいない中で、どうやって人材を育成すればいいのかわからない」という方のほうが多いでしょう。以降は、RPAを操作できる人材育成のポイントをお伝えします。
RPAを操作できる人材の育成方法
まず初めに、RPAを活用するためのスキルを整理しましょう。
RPAのスキルは大きく4つに分類できます。
RPAを活用するためのスキル
管理職/担当者のスキルレベル
STEP①②
- RPAの概念を理解している
- RPA化できそうな業務の目星をつけられる
- RPAに合わせた業務フローを考えられる
ルールが多い・業務が長い など
RPA担当者レベル
STEP② 初級~中級レベルのシナリオ作成が可能(Excel/システム操作/メール など)
RPAエンジニアレベル
STEP④ 人に操作を教育できる
RPAを組織内で活用するのに、お客様が必要なスキルの目安は「3. 頻繁に利用する操作の知識」までで十分です。「Excel操作」「システム操作」「メール操作」の3種類の自動化方法をしっかりと学べば、大半の業務自動化が作成できるレベルと言えるでしょう。
しかし、STEP②から③へステップアップする際に、つまずく方が非常に多くいらっしゃいます。
と言うのも、STEP①や②までであれば、一般的に提供されている初級研修(1日~2日程度が多い)を受講すれば十分理解できるからです。ところが、③になると一般的なセミナーや研修では、実務で活用するスキルを身に付けるまでにはなかなか到達しないのです。
それは、多くのセミナーや研修で教えてもらえるのは「誰でも使える環境内での操作」に留まるからです。自身の会社や業務に応用させるには至らず、早々につまずいて知識や技術がなかなか身に付きません。
本当に業務でRPAを活用したいなら「実際の業務を学習題材にする」「短期集中」「家庭教師式」をおすすめします。
実際の業務を学習題材にして「いつも使っているシステム」「いつも使っているファイル」を使った研修ができれば、これに勝る学習方法はありません。
また、空いている時間や業務の隙間を見計らって長期間にわたって学習するよりも「短期集中」で5日間程度の時間を1か月の間で作って習得することがお勧めです。一気に、短時間で技術を身に付ければ、より多くの業務を自動化できるという利点もあります。
最後に、プロのエンジニアや講師につきっきりで研修してもらう「家庭教師式」を取るのも効果的です。
「自分の業務を題材」に「プロのエンジニア」が「どんな操作を使用」して構築するのかを間近で体験し、担当者も一緒にシナリオ構築することで短期間での習得が実現できます。
また、学習題材として取り扱った実務は、研修終了後には自動化できている、という点も大きなメリットと言えるでしょう。
まとめ
●RPAの導入を検討されている方もRPAを導入した方も「RPAの有効活用」に悩んでいることが多い。
●特に「RPAを操作できる人材の育成」がうまくできていないことが有効活用できない大きな要因の一つ。
●人材育成には「実際の業務を題材にする」「短期集中」「家庭教師式」の研修がお勧め
当社では、お客様に研修する際、実際にお客様が行っている業務を題材に、カリキュラムや教材をご用意しています。
また、業務自動化の対象となる業務の選定やRPA導入効果の算出なども無償でご提示しています。RPAの有効活用にお困りのお客様は、ぜひお気軽にお問合せください。
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