■前回までのあらすじ
初心さんはRPA以外の自動化ツールについて調べて、業務自動化への思いを膨らませていました。一方、部長も職場へのRPA導入のために、他部署へ働きかけを始めたようです。
他部署の部長に「RPAを導入するんですが、業務フローを整理するのに協力してもらえせんか」と言いに行ったら「よくわからないことに時間を割けない」と言われてしまった…。
ゼロからわかる!RPAと導入のコツ
「RPAとは?」「RPA導入を考えているけれど、どうすればいいのかわからない」といった方に向けて、わかりやすく解説した資料です。
社内にRPA導入の協力者をつくろう
初心くんは他の人にどうやってRPAのことを伝えているんだ?
「こんな業務が楽になりますよ」って、デモ動画を見てもらったり、わかりやすい説明サイトを案内したりしてます!
社内にはさまざまな社員がいて、皆がITツールに詳しいということはありません。突然「RPAを導入する」「DXを進める」と言ったところで、よくわからない、というのが正直なところでしょう。
しかし、RPA導入をはじめDXを進めるには、社内の協力が不可欠です。そのために理解者をつくることは非常に重要になります。
「RPAを導入する」など具体的なツールが決まっているのであれば、そのツールで何ができるのか、そして自身の業務にどんな影響があるかを説明することが大切です。
自分に関係があることであれば、真剣に聞き入れてくれる人も多いはず。突然全社員に理解を求めることは難しいですが、導入する一部署の関係者から理解してもらい、徐々にその輪を広げていくことが理想と言えます。
具体的には、総務・人事・広報などが発行している社内報で特集を組んでもらったり、連載枠をつくってもらったりして周知していく方法があります。
また、同じく総務や広報に依頼して、社内セミナーを行ってもいいでしょう。興味を示してくれた人から、次のRPA担当者が出てくることも期待できます。
RPA導入などは会社方針で進めるケースが多いもの。会社方針であれば、経営層から方針として改めてメッセージや導入後の「目指す姿」を提示してもらうのも効果的でしょう。
私も最初は「RPAってなんですか?」って言っていたので、わからなくて当然なんですよね。
「少し話せばわかってくれるだろう」、というのは横着だったかな?
RPA導入は、経営判断と現場主導の2軸で進める
RPA導入は確かに経営方針だけれど、経営層からメッセージを発信してもらうとか、結構大事になるなぁ
RPA導入、ひいては会社のDX推進は経営方針として組み込まれるケースが大半です。
その目的は会社ごとに異なるものの、少子高齢化で働き手が減少する現代において、DX推進は避けて通れません(第1回参照)。
そうした会社の方針と目的を社員が理解し、その上で検証・行動していくことで、DXの真の目的である業務改革が進んでいきます。
会社方針のために動きたくない、という経営層は稀でしょう。ぜひ現場から声を上げて、経営層に協力を求めてみてください。きっと快く受け入れてくれるはずです。
って、この前デモを見せてくれた会社は言ってました!
たしかに、上司は言われないと部下がどんなことで困っているかわからないことも多いからなぁ。一度相談してみるか
私も部長にどんどん困ったことを言っていこう!
ほどほどにね…
Tips:DX施策は経営者・IT部門・業務部門の共通理解の上で進めることが重要です
日本企業ではDX施策について「十分にできている」「まあまあできてきる」を合わせて39.9%。米国では「十分にできている」が40.4%、「まあまあできている」が45.8%。8割以上が共通理解のもとにDXを推進しています。
社内で導入後のビジョンを共有する
さて、どんなメッセージを経営層からいただくと、みんながRPAに興味を持ってもらえるだろうか?
私だったら、「RPAを導入したら、会社がどんな状態になるか」を言ってほしいですね
RPA導入には、多くの部署からの協力が欠かせません。そのため、RPAに対して前向きなイメージをつくることが肝要です。
例えば「業務効率を上げて残業をなくす」という目標を掲げたとします。
個人に対するメリットは
⇒家族と過ごす時間が増える
⇒自分のスキル向上に時間が割ける
⇒趣味やリラックス時間を増やせる
会社としても
⇒残業における人件費を削減
⇒残業にともなう光熱費の削減
⇒社員の離職率低下
などが挙げられます。
こうした従業員と経営層とのイメージのすり合わせ、つまり従業員と経営層とのコミュニケーションは、RPA導入に限らず重要です。ただ「命令を受けるだけ」「命令をするだけ」の関係は、コミュニケーションがある状態とはいえません。
もしコミュニケーションが取れないまま進めると、現場では「よくわからないツールを導入されたけれど、使い方がわからないし、逆に手間が増えた…」となりますし、経営層は「せっかくRPAを導入したのに、全く生産性が上がっていない」という事態になりかねません。
会社によって難しい場面はあるでしょうが、RPAの導入は、そもそも業務を効率化して会社の生産性を高めるため。
会社のためになることだ、という気持ちで社内コミュニケーションを広げてみてください。
よし、初心くんが社内で動きやすくなるように、あきらめずに掛け合ってみようか
よろしくお願いします!
まとめ
●RPA導入には、社内の協力が不可欠。そのためにRPAの社内周知が必要
●社内報や社内セミナーを活用して、RPAの社内認知度を上げる
●時には経営層からも協力を仰ぐ
●RPA導入には経営層と現場のコミュニケーションが重要
つづく
ロボフィスのRPA導入支援なら
▶業務フローの整理からお手伝い
▶投資対効果を提示
▶内製化できるよう人材育成