前回までのあらすじ
DXの失敗事例を学んで、かえって社内DXのやる気と自信を取り戻した初心さん。DX関連の情報も、ぬかりなく調査しているようです。
最近、新聞の経済欄に「DX銘柄」とか紹介されてたりするけど、アレってなんなんだろう?
では、今日はDX銘柄と、すべての事業者が取得できるDX認定制度について解説しましょう
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DX銘柄とは?
DX銘柄については、IPA(情報処理推進機構)が以下のように説明しています。
「デジタルトランスフォーメーション銘柄(DX銘柄)」とは、東京証券取引所に上場している企業の中から、企業価値の向上につながるDXを推進するための仕組みを社内に構築し、優れたデジタル活用の実績が表れている企業を選定するものです。」
IPA「DX銘柄」より
もう少しわかりやすく言うと、DX銘柄とは、経済産業省と東京証券取引所とIPAが1年に1回、共同で、優れたデジタル活用の実績が表れている企業を選定する、いわば“お墨付き”のようなものです。
DX銘柄の中でも “デジタル時代を先導する企業”は「DXグランプリ」としても選ばれます。
ほか、DX銘柄に選ばれないまでも企業価値向上が予想される企業は「DX注目企業」として、2023年度からは、特に傑出した取組を制度開始当初から継続している企業を「DXプラチナ企業2023-2025」として選定しています。
DX銘柄として一度選定されたら次年度以降で選定対象外というルールはなく、何度でも選ばれる可能性があります。
DX銘柄のメリット
DX銘柄に選ばれると、なにかイイコトあるんですか?
企業PRの面でメリットがあります。
DX銘柄に選ばれると、デジタル技術を導入したビジネスモデルを確立し、DXを推進するための体制が整った企業であると世間にPRすることができます。
企業のDXへの取り組みや技術力が評価されれば、市場価値の向上や投資家に注目されるなど、株価にも好影響を与えることが期待できるでしょう。
また、DX銘柄選出企業は経済産業省のウェブサイトで公表されるため、企業名が広く知られるようになります。
広報とかマーケティングの面でメリットがあるってことか~
DX銘柄の選定基準
DX銘柄って、どんな企業が選ばれるんですか?
DX銘柄は以下の条件を満たした企業から選定されます。
- DX認定企業であること
- 東京証券取引所に上場していること
- 国内上場企業を対象に毎年おこなわれるアンケート調査「デジタルトランスフォーメーション調査(DX調査)」に協力していること
DXにんていきぎょう??
次はDX認定企業について解説しましょう
DX認定企業とは?
DX認定制度とは、国がデジタル技術による社会変革に対応していると認められた企業を認定する制度です。認定された企業は、自社をアピールしたり、公的な支援措置を受けたりすることができます。
DX認定制度のメリットは大きく2つ。
- 従業員にDXについて意識してもらえる
- 税制優遇措置を受けられる
詳しく解説していきましょう。
①従業員にDXについて意識してもらえる
DX認定の取得には、企業内でDXについて共通認識を持ち、経営層と現場の従業員が協力して取り組むことが求められます。
このため、DX認定を取得する過程で経営層と現場の意見交換が行われ、共通のビジョンを持つことができるようになります。同時に経営層がDXの重要性を認識することで、全社的なDX推進体制が整えられ、現場の士気が向上するといった効果も期待できるでしょう。
DXは情報システム部などの専門部署だけで進められるものではありません。社内のDXに対する意識が高まれば、協力を仰ぎやすくなることも見逃せないメリットです。
②税制優遇措置を受けられる
国や地方自治体はDXを推進するために認定制度を導入しており、企業がDX認定を取得すれば、税制優遇措置を受けられることがあります。
たとえば、中小企業が導入したDX関連の設備やシステムに対して、減税の特例や償却資産の特例を受けられることがあります。地方自治体によっては、DXを推進する企業に対して、補助金の支給などの支援策を行っている場合もあります。
会社の意識改革につながるなら、DX認定取得を目指してみようかな?
DX認定制度の概要
DX認定制度の概要は以下です。
制度の対象:全ての事業者(法人と個人事業者。法人は会社だけではなく、公益法人等も含む)
審査・問い合わせ先:IPA
認定:経済産業省
申請受付期間:1年を通していつでも申請可能
認定基準及び審査:認定基準は経済産業省令に定められ、これへの適合が審査されます(詳細はこちら)
申請から認定取得までの期間:おおよそ60営業日
認定の有効期間:2年(更新には認定後2年を経過する日の60日前までに、認定更新申請書を提出する必要があります)
DX銘柄と違って、個人事業者も対象なんだ!
申請の手順についてはこちらに案内があるので確認してみてください
デジタルガバナンス・コードが基準なんだ。もう一度ちゃんと読もう~!
まとめ
国がすごくDXを支援したいんだなって感じましたね
それだけDXが国際競争力を高める要因だと政府も考えているということでしょうね
DXへの取り組みは、簡単ではありません。しかし、これからICTを通して大きく変化するであろう世界市場に取り残されないために、デジタルの力を借りた新たなビジネスモデルを探っていくことは不可欠です。
そのためには、デジタルの力を活用するためのITリテラシーを持った従業員を集めたり、育てたりすることも欠かせません。
現場が働きやすくなり、新しい発想を生み出し、挑戦していける環境を整えることはDXを実現する道の一歩になります。
参考:初心と学ぶ、DXの進め方 第7回「DX人材不足、どう解決する?」
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