近年よく耳にする「業務アプリ」について、しっかり説明できる、と自信のあるビジネスマンは多くありません。しかし、企業の業務効率化を考える上で業務アプリについての理解、そして導入の検討は避けて通れません。
そこで本稿では、業務アプリについて解説します。導入のメリットや注意点もわかりやすく解説するので、業務効率化やDX推進を担う方は、ぜひ最後までご覧ください。
ゼロからわかる! Power Appsの使い方
Power Appsは、ローコード・ノーコードで作成できるアプリ開発ツールです。Microsoftのアプリであり、使いやすいことでも注目されています。
本資料では、これからPower Appsを使ってみたい方や導入をお考えの方に向けて、使い方をわかりやすく解説しています。
業務アプリとは
業務アプリとは、企業や組織におけるさまざまな業務を、より効率良く処理するためのアプリケーションのことです。一般的には開発会社が作成・提供しますが、要望に応じて機能を拡張したり、ゼロベースで構築したりするケースもあります。
たとえば、とある商品のコードを入力して、在庫数や在庫の保管場所が表示される、といったシステムを利用している企業は多いでしょう。これは業務アプリの一種です。
業務アプリを使い始める前は、倉庫の在庫を目視で確認し、紙の在庫表に記入するなどして商品の入出を管理していました。この管理方法だと、数え間違いや記入ミス、在庫表の紛失などインシデントが頻発する可能性が考えられます。これをシステムで管理すれば、担当者の負担やインシデントの発生を低減させることができるようになります。
業務アプリは、企業全体の業務効率をアップさせるための有効な手段と言えるでしょう。
業務アプリの種類
業務アプリは大別すると11種類あると言われています。
販売管理アプリ
企業が顧客から注文を受け、商品を顧客へ納品するまでのプロセスをアプリケーション化したものです。取り扱う商品すべてのJANコード、商品名、販売価格などの商品情報に加え、仕入れの状況や販売履歴など、商品の仕入れと販売に関する情報を一元管理できます。取引先ごとに見積書や請求書を発行できるため、請求漏れや送付ミスも回避できます。また、顧客データを蓄積することで、受注・販売予測が立てやすくなる、といったメリットもあります。
営業管理アプリ(SFA)
SFA(Sales force Automation)は、企業の営業活動を管理・効率化するアプリケーションです。売上予測と実績を比較したり、商談プロセスの状況を管理したり、顧客からの問合せとその対応結果を記録したりします。営業プロセスを「見える化」することで、管理者は全体の状況を素早く把握でき、かつ担当者は引継ぎなどが容易になります。
顧客管理アプリ(CRM)
CRM(Customer Relationship Management)は顧客の情報を一元管理するアプリケーションです。既存客・見込み客の管理、商談管理、見積りから受注までの営業プロセスの管理を行います。
受注管理アプリ
受注管理アプリは販売管理アプリの受注から出荷処理部分のみを中心に扱ったシステムです。受注処理、出荷処理などを中心に、場合によっては在庫管理アプリの機能を持たせるケースもあります。組織によって業務フローが異なる部分のため、作り方はさまざまです。
購買管理アプリ
資材や原料、部品類などの仕入や商品の購入など購買業務全般を効率化するアプリケーションです。購買管理アプリの多くでは購買伝票の登録、入庫処理、検収処理、支払処理などが行えるようになっています。また、在庫管理機能とも連動させる必要があります。
生産管理アプリ
工場の生産状況や生産納期、コスト、工程、在庫を管理するシステムです。製造業ではよく使われるアプリケーションで、必要な在庫数やそのための材料・資材の調達量、調達時期などを管理でき、過剰在庫や在庫切れによるロスを防ぐことができます。購買管理アプリ、販売管理アプリ、在庫管理アプリと連携させるケースも多くあります。
在庫管理アプリ
資材や原料、部品類、製品、商品などの在庫を管理するためのアプリケーションです。コンビニエンスストアやスーパーなどの多店舗販売の場合は、POSシステムと在庫管理アプリを連動するケースも多いです。
会計管理アプリ
企業における会計業務を管理するアプリケーションです。取引記録のデータ化や集計、給与の支払いと言った会計に関することを一元管理します。税や帳簿付けは法律によって定型化されていることが多いため、さまざまな企業から会計管理サービスがリリースされています。
原価管理アプリ
製品・商品・サービスの原価計算や、予算・実績の比較、損益の計算などを行い、営業活動における損益を分析するアプリケーションです。粗利の算出などもできるため、経営戦略の立案にも役立ちます。会社の機密情報にあたるため、セキュリティ対策などが求められます。
情報系アプリ
企業の情報を一元管理し、情報の共有やセキュリティ対策を効率的に行うために用いられるアプリケーションです。具体的には、スケジュール管理やメールソフト、社内SNS、施設予約アプリなどで、これらをまとめたグループウェアは代表的な情報系システムです。
人事管理アプリ
社員の氏名、年齢、性別といった基本情報から配属や給与、役職といった情報を管理するアプリケーションです。近年は勤続年数や資格の有無、給与体系以外に、人材育成の観点から人事評価も一元管理する傾向があります。従業員の個人情報を扱うため、とくにセキュリティ対策が必要になります。
業務アプリ導入の注意点
組織的な業務効率化には欠かせない業務アプリは、多くのメーカーからサービスが提供されています。先述した業務アプリの種類を参考に、どんな業務アプリが必要なのか見極めて、自社にマッチした業務アプリを導入してください。
特に気を付けたいのが、以下の3点です。
注意点① 社内で運用できるか
せっかく業務アプリを導入しても、使用するのは現場の担当者です。あまりに高度な知識が必要だったり、複雑な操作を必要だったりする業務アプリだと、かえって現場担当者の手間が増えてしまいかねません。
また、導入後に業務フローが変更になった場合、複雑なアプリでは社内で微調整することもできなくなってしまいます。
注意点② コストを検討する
導入時のコストはしっかりチェックすることが多いでしょうが、漏れがちなのが運用コストです。
上述したように、複雑なアプリを導入してしまうと社内で微調整が難しくなり、業務フローを変更する度に外部に修正依頼をすることになりかねません。その場合のコストが、期待する結果に見合うものかどうかをしっかり確認しておきましょう。
注意点③ 情報セキュリティ対策ができているか
業務アプリの多くが、個人情報や経営情報、製造情報といった外部に流出させてはいけない情報を取り扱うことになります。
セキュリティ上、問題ない仕様なのか、取り扱う情報に対してアプリがマッチしているかどうか、十分に検討することが重要です。
また、自社がすでに導入しているセキュリティソフトと業務アプリのセキュリティ仕様が合っているか、お互いに干渉しないか、といった確認も必要でしょう。
業務アプリを内製化するメリット
業務アプリには市販のサービスも多くありますが、「なかなか自社の業務フローにマッチしない」ということもあるでしょう。そうした場合は、ローコード・ノーコードツールを使用して自社でアプリを作成する方法もあります。
ローコード・ノーコードツールとは、プログラミングの知識なし、あるいは少しの知識でアプリやシステムが作成できるツールのことです。ローコード・ノーコードツールの多くはマウスのドラッグアンドドロップで作成できるため、非エンジニアの一般スタッフでも業務アプリを作成することが可能です。
業務アプリを内製化できれば、自社の業務フローにピッタリの業務アプリを作ることができます。また、業務フローを変更した際の調整も社内ででき、ランニングコストを削減することも可能になります。
業務アプリを作成するツール
業務アプリを作成するツールも数多くあります。その中でも導入しやすいものをご紹介しましょう。
Power Apps(パワーアップス)
PowerAppsは、Microsoftが提供するノーコード・ローコードの業務アプリ開発ツールです。サブスクリプションサービスであるMicrosoft 365に含まれているアプリで、ドラッグ&ドロップで簡単に業務アプリを作成することができます。
料金プラン PowerApps | 料金(月額) |
---|---|
アプリごとのプラン | 540円 |
ユーザごとのプラン | 2,170円 |
従量課金プラン | 1,120円 |
Microsoft 365ユーザであれば無料で使用できるので、「業務アプリを試用してみる」といった検討段階で試してみるのに最適な業務アプリ開発ツールと言えます。拡張性も高く、試してみた結果、本稼働させるのにも十分な機能を備えています。
kintone(キントーン)
kintoneは、日本企業サイボウズによるクラウドベースのノーコード・ローコードによるアプリ開発ツールです。コーディング知識不要で業務アプリケーションをドラッグアンドドロップやマウス操作だけで簡単に構築できるのが魅力です。
kintone 料金プラン | 料金(月額) |
---|---|
トライアルプラン | 無料 |
スタンダードコース | 1ユーザ 1,500円 |
ライトコース | 1ユーザ 780円 |
kintoneも低価格から始められるので、業務アプリ導入の一歩目にはぴったりなツールです。APIも豊富で拡張性も高いことから、多くの企業で使用されています。
参考:「ノーコードツールとは? 業務効率化につながるアプリ開発」
まとめ
業務効率化の要となる業務アプリは、市販サービスはもちろん、自社開発するといったさまざまな選択肢があります。自社の課題を解決するために、良いサービスを見つけ出すことが重要になります。
しかし、IT企業でもない限り、自社でこうしたツールを選定し、アプリを発注、もしくは開発していくことは簡単ではありません。導入時は、知見を持つ協力会社に相談するのがスムーズです。
ロボフィスでは、PowerAppsやkintoneの導入支援はもとより、Microsoft 365の導入支援・実用研修の実施、さらには業務効率化のための業務フロー見直しといった幅広い視野で改善案をご提案しています。
「どんなツールが自社に合っているのか決められない」「運用できるか不安」といったご相談にも応じていますので、ぜひお気軽にお問い合わせください。
【業務アプリ開発ツール徹底比較】PowerApps/kintoneどちらが使いやすい?
業務効率化に欠かせない業務アプリ開発ツールのなかでもとくに注目されている「PowerApps」と「kintone」の特徴をまとめて比較しました。
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