前回までのあらすじ
DXについての基礎知識を学んだ初心さん。そのころの部長は、世間で話題の「ChatGPT」に注目したようです。
最近話題のChatGPTって仕事に使えそうな気がするけど、どうやって使えばいいのか全然思いつかない…
ゼロからわかる!RPAと導入のコツ
「RPAとは?」「RPA導入を考えているけれど、どうすればいいのかわからない」といった方に向けて、わかりやすく解説した資料です。
仕事で使おう! ChatGPT
というわけで、初心くんはどうやってChatGPT使ってる?
私はこんな風に使うといいんじゃないかって検証してます!
ChatGPTの使い方① メール文の作成
ChatGPTは自然な言語表現が特長。そのため、メールなどの文章作成を任せると業務が効率化できます。
文章を書くのが苦手な人は、一通打つのも気が重かったりするものね
ためしに、営業のアポイントメールを作ってみましょうか
プロンプト※:あなたは営業担当者です。お客様にアポイントメントのメールを送ります。お客様がアポイントをOKしてくれるメール文を、簡潔に書いてください。
※コンピューターにコマンドを入力する場所を表す画面上の表示。AI関連の文脈ではAIに対する指示のこと。
ポイント
自分の役割と目的(効果)を指定しておくと、より具体的な表現を出力してくれます。
違和感ない?
じゃあ追加の指示を入れてみましょう
追加プロンプト:もう少し日本人向けの表現にしてください。
ポイント
ChatGPTはもともと米国の会社(オープンAI社)が開発しているので、英語よりの表現になっていることがあります。「日本人向けの表現にして」と追加で指示すると修正されるケースが多いです。
表現はよくなったけど、もうちょっとお客様の気を引く内容でないと実用的じゃないね
それじゃ、そこも修正してもらいましょう!
追加プロンプト:もっとお客様の興味を引く内容にしてください。
これなら少し手を入れたら使えるかも!
ChatGPTは一回の出力では人間が十分だと思える内容は出力されません。何度か繰り返し指示をする必要があります。
メール文章であれば、文章が書くのが得意な方なら「自分で書く方早い!」となるかもしれません。一方で「メールを書くのが苦手で、後回しにしがち…」という方なら、活用した方が業務効率も上がるでしょう。
ChatGPTの使い方② 企画書の作成
次は企画書のアイデア出しをしてもらいましょうか
プロンプト:あなたは社内DX推進担当です。RPAを社内に普及させるため、RPAに親しみを感じる企画のアイデアを出してください。
ポイント
字数制限で途切れてしまったら、「Continue generating」のボタンを押すか、「続きをお願いします」など入力すると続きを出力してくれます。
面白そうな企画があるね!
「RPAコンテスト」なんかいいですね。これで企画書を作ってもらいましょうか。
プロンプト:「RPAコンテスト」を開催するなら、どんな準備が必要ですか。
これをコピーして、パワポの「アウトライン」にペーストしましょう。
これで文章と体裁を整えたら、社内提案資料としては十分ですよね!
ChatGPTの使い方③ RPAの構築
ChatGPTってプログラムも作れるので、RPAもつくれるんじゃないかなと思うんですよね
プロンプト:ウェブブラウザからExcelに企業情報を転記する作業をWinActorで自動化したいです。エミュレーター以外の方法でシナリオの作成方法を教えてください。
うーん、もう少し具体的な手順を知りたいな…。
プロンプト:具体的なシナリオの作成手順を教えてください。
本当は一番ややこしい、作るときの操作や設定とかも知りたかったけど…
でもコレでも業務フローを作るときの参考になるんじゃないかな?
実際に作りこんでみて、具体的な不明点が出たときにもう一度質問しても良さそう
ChatGPTとセキュリティ
これは、確かに便利だね!
でも、うちの会社はまだChatGPT使ったらダメですよ
!?
ChatGPTは、テキストベースの対話型AIモデルです。与えられたテキスト情報を解釈し、それに基づいて回答や応答を生成します。具体的には、以下のような活動を行います。
問いに対する回答:ChatGPTは、ユーザーが与えた質問や要求に対して回答を生成します。
例)特定の情報の検索、要約、解説
文章の生成:与えられたテキストに基づいて文章を生成します。
例)報告書やメールのドラフト作成、説明文の生成
自然言語処理:自然言語を理解し、テキストデータの分析や言語の理解、感情分析など、自然言語処理のタスクを実行することができます。
ユーザーとのインタラクション:ChatGPTは対話型のモデルであり、ユーザーとの対話を通じて情報のやり取りを行います。ユーザーの質問や指示に応じて適切な応答を返すことが目的です。
入力された情報を処理するため、ChatGPTは絶えず学習を続けています。入力された具体的な情報やデータを直接的に覚えたり保存したりするわけではありませんが、内容を学習したChatGPTが回答として出力する可能性はゼロではありません。その場合、自社のノウハウがカンタンに他者へと渡ってしまう可能性があります。
ChatGPTに会議データを渡して議事録を作成するケースもあるでしょうが、その際は機密情報が含まれる会議ではないか、十分検討してから使用することが重要です。
うっかり仕事の具体的な内容を入力しそうだ…
また、新しいITツールを使用する場合は、必ず社内の情報システム担当者に確認を取るようにしてください。
情報システム担当者は、悪意のあるウイルスから社内の情報資産を守るために、何通りもの対策を立てています。その対策を実施するために、社内で使用している機材、ソフトウェア、サーバなどを把握する必要があります。
「申請が面倒くさいから、とりあえず個人で使っちゃおう」
と社内許諾を得ていない機器やソフトウェアを使用して、マルウェアに感染するといった事件は後を絶ちません。
社内で許諾を得ていない機器やソフトウェアのことを「シャドウIT」と言います。
社内の重要な情報(顧客情報や個人情報を含む)を守るためにも、申請、もしくは使用しても良いかの確認は必ず取りましょう。
ChatGPTはブラウザですけれど、どんなツールにもリスクはあるので、使う前に専門家に相談するのは大事なことなんですよ
(知らなかった…)
でも、やっぱり使えた方がいいので、今システム部門と調整して使い方を相談してるところなんです!
AI時代の働き方
私みたいな古い人間にはついていけないかもしれない…
(部長みたいな人、きっと社内にもたくさんいるだろうな…)
でも、私もRPAを勉強した時、とっても時間がかかりましたよ!
新しいことを学習するのは時間がかかるもの。そのことに対して不安を感じる人も少なくありません。しかし、これから先ChatGPTをはじめとするAIツールは、業務遂行になくてはならないものになるのは間違いありません。
不安を感じている従業員に対しては、企業や所属チームが学びやすいようにサポートをすることが求められます。
例えば、社内セミナーを開催したり、勉強会を開催したりするのもいいでしょう。もしくは、社外のオンデマンド学習サービスを活用したり、外部の専門家に講習を依頼するのもいいでしょう。新しい技術を覚え、活用することを評価対象にすることも欠かせません。
会社からもサポートしないといけないな
部長の視点から、会社にサポートを訴えてもらえると、他の社員もありがたいですよ!
結局のところ、どんなに便利なツールを導入しても、組織を運営するのは「人」。そうした人のサポートは人にしかできないんだろうな、と考える初心さんでした。
つづく
「DXの専門家」にDX推進やデジタル化、業務効率化についてレクチャーしてほしい方、増えています! 初心さんのような初心者でも丁寧に、業務に沿った内容で研修を行います。お気軽にご相談ください!