RPAというサービスが徐々に広がりを見せ、以下のように認識が広がっています。
「業務効率化を叶えてくれる夢のようなツール」
実際にこれまで手作業で行っていた業務がロボットによって自動化され、残業から解放される、ほかの業務に注力できるといった利点があります。
しかしながら、安易な導入によって機能を活かせずに高い費用を継続的に支払い続けるという事例も聞かれます。
弊社では医療分野、特に病院様向けの自動化を積極的に推進しており、複数の病院への導入実績がございます。
病院という業界は一般的な法人とは異なり、専門用語も多く、複雑な仕組みを持っています。
このような特殊な環境下で日々の業務に向き合っている皆様に寄り添い、より効果的かつ効率的な自動化を実現するための支援を行っています。
自身の医療機関にRPAを導入したいが、どこから、何から手を付けたらいいかわからない!
そんな医療関係者の方に向けて、本稿では医療業界においてどのような業務効率化が考えられるのか、実際の事例をご紹介しながら解説していきます。
医療業界で業務効率化・自動化をお考えの方は、ぜひ最後までご覧ください。
医療業界における業務効率化の事例
O病院
O病院では病院DXを推進していて、医師のみならずスタッフの働き方を改善したいという思いがありました。そこで、まずは事務業務が多くある医事課から業務改善をはじめることに。
医事課ではさまざまな業務を手入力しているような状況で、手始めに透析患者さまの診療一覧データの転記作業を自動化しました。この業務は診察の内容を医事会計システムに入力する作業で、始業から2名体制で90分かかっていたものです。
この業務をRPA※で自動化。
透析の受診内容を電子カルテに入力、その内容をRPAで医事会計システムに転記。これにより、担当者は入力内容に間違いがないか最終チェックのみとなり、ロボットの作業はケアレスミスなどもなく修正も容易なため、年700時間を削減できるようになりました。
※Robotic Process Automationの略称で、「ロボットによる処理の自動化」のこと
削減時間:約700時間/年
連携システム:電子カルテ(SOFTMAX)・医事会計システム(SOFTMAX)
使用RPAソフト:WinActor
※WinActorはスタンドアロンでの導入が可能なため、メディカル端末への導入も可能です
今後は健康診断の受診情報を電子カルテから健診システムへ転記する作業も自動化し、そちらでも年400時間ほど業務時間の削減を見込んでいます。
H病院
H病院は、すでにRPAを導入して医事課業務の自動化を進めていました。そしてさらに一歩進み、本来の目的である医療のタスクシフトの観点から医療従事者の業務自動化に乗り出すことに。
まずは内服薬や注射などの処方が2日後に切れる患者を抽出し、電子カルテの患者掲示板に書き込みを行い、医師にアラートを出す業務を自動化。これで年240時間を削減することになりました。
さらに、放射線画像読影レポートの既未読の情報集計も自動化しました。撮影日から7営業日経っている患者を抽出し、依頼医にメール/電子カルテ上でアラート出す業務を自動化し、こちらは年480時間を削減することにつながりました。
削減時間:約600時間/年
連携システム:電子カルテ(HOPE)
使用RPA:WinActor
このような業務はもともと、看護師から医師に向けて催促していましたが、看護師にとっては精神的な負担が大きく感じられていました。RPAを導入して機械的にアラートするようになると、看護師の業務に対する心理的負荷が大きく軽減されました。これは時間削減効果以前に職場環境の改善につながるものです。
H病院では医事課のみならず現場で働く看護師の業務効率化・自動化が可能であることがわかり、この成功体験をもとにさらなる病院DXを進める方針を掲げています。
医療業界の業務効率化を促すITツール
上記のように、RPAをはじめとしたITツールを導入することで、業務自動化が進むことは数多くあります。以下では医療業界で代表的なITツールをご紹介します。
医療会計システム
医事会計システムとは、医療機関のレセプト業務を自動化するソフトウェアのこと。レセプトコンピュータ(レセコン)とも言います。診療報酬の算定やチェック、レビュー、入出金の仕分けや文書管理といった経理担当者の一連の業務を自動化します。電子カルテやオーダリングシステムのような医療情報システムと連携可能なレセコンもあります。
電子カルテ
カルテは問診内容、検査結果、処方薬、会計など患者に関わるさまざまな診療情報を記録したもの。電子カルテは既存の紙カルテをモバイルやパソコンを用いて編集・管理・記録し電子化したもののことです。
弊社より医療業界で業務効率化を行っているITツール
RPA
Robotic Process Automationの略称で、「ロボットによる処理の自動化」を意味します。ソフトウェアやアプリケーション(RPA)が、設定された通りに自動で作業を処理します。例えば電子カルテで記入した内容を別の書類様式に転記する業務はRPAで自動化が可能です。
まとめ
ご紹介した事例のように、ITツールを活用することでこれまで属人化しやすかった医療関連業務を効率化することが可能です。
なかでもRPAは、システムをまたいでさまざまな業務フローを自動化することができる上、近年では非エンジニアでも扱えるようにわかりやすい操作となっているソフトが多数リリースされています。
弊社が多くのお客様のITツール導入をお手伝いする中で重要視しているのはITツール導入に加えて、業務フローを見直しです。
適切なポイントにITツールを配置することで大幅な業務効率アップが実現できました。
業務フローを見直した上でITツールを導入・活用するには、ノウハウが必要な部分があります。ロボフィスではITツールの知識が豊富なエンジニア/コンサルタントが、医療業界を把握したうえで業務自動化・効率化についてご提案しています。
業務ヒアリングからお見積り・費用対効果の算出等までは無料で行い、導入後も定期的にヒアリングを実施するなど、アフターフォロー(一部有料)やさらなる課題抽出のお手伝いもさせていただいています。
「医師の働き方改革」や医療DXの推進をご検討、または課題をお持ちの方は、ぜひとも気軽にお問合せください。