「せっかくRPAを導入したのに、なかなか使いこなせるようにならない…」「RPAの作り方がよくわからなくて、内製化できない」
上記のような悩みを持つRPA担当者も少なくありません。とくにRPAを導入したばかりの時期は社内にも相談に乗ってくれる相手がおらず、担当者が孤立してしまいがちです。
でも安心してください。その悩み、あなただけではありません!
本稿では、弊社ロボフィスで実際にRPAエンジニアとして活躍するメンバーの、挫折エピソードと、挫折を乗り越える具体的な方法をご紹介します。
プロフェッショナルとして多くの会社でRPAを構築するエンジニアが実際に体験してきた内容ですので、きっとRPA担当者、ひいてはRPA内製化のヒントになるでしょう。
ぜひ最後までご覧ください。
ゼロからわかる!RPAと導入のコツ
「RPAとは?」「RPA導入を考えているけれど、どうすればいいのかわからない」といった方に向けて、わかりやすく解説した資料です。
RPAエンジニアの失敗事例① フローチャートが書けない
RPAエンジニア:東原 華さん(仮名)
東原さんは前職で間接材購買の仕事をしていました。間接材を適正価格で最適なスペック・最適な使用方法や量を見直し、購買するために業務改善が必要と判断。業務改善に取り組む中でRPAに興味を持ち、RPAエンジニアの道を志すようになりました。
入社後、はじめて触れたRPAはWinActor。社内研修や先輩の指導でシナリオを作るための操作やパーツはすぐに覚えられました。しかし、研修課題が進むにつれつまずくようになったのが「フローチャート(RPAシナリオ作成の設計図)」を書くことです。「繰り返し」「分岐」などを使うシナリオは複雑で、途端にわからなくなってしまいました。
「私にはムリかもしれない…」
入社後に感じた初めての挫折でした。しかし、そのままではお客様の現場にうかがうこともできません。東原さんは、「なにがわかっていないんだろう?」とつまずきを分解することにしてみました。
まず東原さんが行ったのは、やりたいことをざっくりと書き出すこと。
すると、重複する作業があることがわかりました。そこで初めて繰り返しの記号を入れます。
続いて、重複作業の繰り返しをさせても1行目に記入するのを繰り返すだけ。「次の行へ移動させるためにはどうすればいいのか」を考えて、行数に1を足して次の行の指示にする作業を追加していきました。
このようにフローチャートを1つずつ整理して詳細を詰めていくことで、複雑なフローチャートでも難なく書けるようになりました。
ポイント
フローチャートが書けなくても焦らずに。一つひとつ手順を整理していきましょう!
RPAエンジニアの失敗事例② 無駄の多いシナリオしか作れない
フローチャートを書けるようになった東原さん。次に挫折を感じたのが、作ったシナリオのクオリティの低さについてです。
「自分の作ったシナリオ、読み込みにすごく時間がかかってる…」
WinActorに限らず、RPAはローコードツールではありますが、同じ結果を得る動作でも A++B+C=動作D と A+A’+B+C+C’=動作D などさまざまな作り方があります。しかし、パーツが多い分、A+A’+B+C+C’=動作Dの方が動作が遅くなりがちです。ムダな操作はどこなのか、スマートなシナリオ構築にはプログラミング的思考が求められます。
東原さんが当時つまずいたのは、ブラウザ操作。トップページに戻りたいのに戻るための指示が作れず、毎回ブラウザを閉じて立ち上げ直すという指示を作っていました。
「これじゃヒトが操作した方が早いかも」
悩んだ東原さんは、素直に先輩に助言を求めます。
そこで先輩に教えてもらったのは、シナリオ構築でつまずいた時の検索の仕方です。ライブラリで使い方がわからないもの・普段使っていないライブラリなどはインターネットで「ライブラリ名 活用 例」などと検索。他人の作るシナリオ構築のノウハウを吸収して、やりたいことにベストなライブラリがわかるように勉強を重ねました。
ライブラリへの理解が深まると、シナリオもシンプルで効率的になっていきました。
例えば、設定した画像が画面に表示されるまでスクロールして、見つかったらクリックするという指示を「繰り返し」と「分岐」で作っていたものを、「後判定繰返」を使ってシンプルに構築できるように。
先輩の他、インターネット上にいる無数の先駆者の知識を素直に学び、身に付ける。繰り返すうちに、自分の実力になっていきます。
ポイント
「学ぶ≒真似る」。自分以外の人の知識や考え方を吸収すると、より効率的にシナリオを作れるようになります。
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シナリオづくりで迷った際に手元に一部あると便利です! また、社内教育にもお役立てください。
RPAエンジニアの失敗事例③ 変数が管理できない
順調にRPAを学習していった東原さん。次につまずいたのが「変数」です。
シナリオが長くなるにつれて、「この変数作ったっけ?」と変数が行方不明に。仕方なく新しく設定すると、変数が被ってエラー表示が出てしまう…。
「変数を管理するいい方法はないかな」
東原さんが先輩にもらったアドバイスは4つでした。
変数を管理するコツ① 変数を並び替える
変数の数が多くなってくると、シナリオ作成中に混乱して、すでに作成した変数を「未作成の変数」だと勘違いして不要な変数を作ってしまうことがあります。
そうするとシナリオにエラーが出て「なにが原因かわからない…」といった混乱のもとに…。
そんな時には変数一覧をチェック。
関係する変数を並べて一目でわかるようにしましょう。
変数を管理するコツ② 変数のネーミングルールを決めておく
シナリオを作りながらなんとなく変数名を決めていると、似たような名前の変数がたくさんできてしまい、どの変数がどのノードで機能しているかわからなくなる…といった経験をした方も多いのではないでしょうか?
似たような変数名を付けることは、変数によるエラーのもとです。あらかじめ変数のネーミングルールを決めておくと、混乱を防ぎ、視認性も上がるので作業効率もアップします。
例: Excelに対する変数は「ファイルパス_○○」「行_○○」とする
もしシナリオ作成中にわかりづらいことに気が付けば、適宜変数一覧から変更してください。
変数を管理するコツ③ 変数がどのノードで使われているか確認する
変数で混乱しないためには、シナリオを作りながら変数が「どのノードで使われているか」を確認しながら進めることも有効です。
変数を管理するコツ④ 待機ボックスを配置して実行する
変数で混乱しないためには、こまめに待機ボックスを設定してシナリオを実行してみるのも有効です。
実際にシナリオを実行して、把握しているノードで変数が機能しているか、チェックしていくと「シナリオのどこがエラーかわからない!」を防ぐことができます。
まとめ
弊社のRPAエンジニアも、はじめからRPAをマスターしていたわけではなく、事例のようなさまざまな挫折を経験して乗り越えています。現在プロフェッショナルであるエンジニアもつまずいているのですから、ノンプログラマーのユーザがつまずくのは当たり前。
ぜひ「挫折=成長の機会」と思ってあきらめずに試行錯誤を繰り返し、WinActorを活用していってください。着実に社内の業務効率はアップしていくでしょう。
ロボフィスでは、挫折ポイントを一緒に解決するような勉強会やワークショップも実施可能です。実際にエンジニア自身がつまずいた経験も交えつつ、クライアントの実務に沿ったオリジナルカリキュラムも作成可能。「社内でRPAを導入したけど、担当者のスキルが伸び悩んでいる」などのお悩みがあれば、ぜひお気軽にご相談ください。
一緒にRPAシナリオ作成マスターを目指していきましょう!
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